第530回JPSオークション オススメ
Lot No.2 竜200文(3)1版31番腕落ち:消印とエラー図案の露出のバランスが良好
Lot No.2

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 今回冒頭のパートは、昭和の著名手彫収集家のコレクションの一部が平成の世を経て令和に出現した200余点。特に、竜と鳥は収集品の中核が残されており充実している。
 手彫切手は文字通り彫られた図案のバラエティやエラーで各人の作品の個性をより際立たたせるが、門外漢にも一目でわかる派手なエラーは作品に大きなインパクトを与える。
 竜切手の中でも横綱クラスのエラーで、昔から人気が高いが手にできる人は限られていた。記述の通り消印が十分にかかっていながら、肝心のエラーがはっきり見えており、最盛期の何分の一以下のスタート値である。夢を買いたい何人かの競り合いで往年に迫るかもしれない。
 この手彫のパートは、このような珍品だけでなく、一流コレクションを形成した良質なマテリアル揃い。しかもリーズナブルな価格で。手彫の専門家だけでなく、ボストーク図入アルバム収集家の方々にも、穴埋めを進める絶好のチャンスでは。
最低値:600,000円
Lot No.279 旧小判 オリーブ2銭(64)、無地紙 P10、不統一 ○棚尾検(三河)G
Lot No.279

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 小判切手の時代には、不統一印は一部の局所での後期使用しかされず、かつてはありふれたオリ−ブ2銭の単片でも数万円以上していた。さらにエンタイアはまさに夢、高値の華であった。
 消印の使用例を満月で揃える収集が主流だった昭和の時代では、旧小判の作品にこの不統一印が単片でも何枚あるかがステータスであった。あげくには、不統一印十数枚で1リーフを構成した作品で度胆を抜かさせたベテランの強者まで現れた。
 今はそれほどでもなくなったが、小判の不統一印、比較的中部地方の使用例が多いとはいえ、小判の専門家だけでなく、ゼネラルコレクターにも手ごろな価格でリーフにアクセントをつけてはいかが?
最低値:8,000円
Lot No.355 洋桜 黄2銭(30)貼、記番ケ13号+不統一(N1K類似印) 鶴岡 8.4.1(最新データ) →N1B1 東京 8.4.8 午前
Lot No.355

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 これまた不統一印絡みだが、二重丸N1K1印を真似した鶴岡の不統一印が証示印として押されている。若いころはせっかくの不統一印であれば、わざわざ二重丸印を模倣しなくてもと思っていたが、オリジナルデザインよりこちらの方が圧倒的に少ない。マルコフィリー(郵便印郵趣)の作品をつくる時にもアクセントになる。
 フロア#345〜411、メール#2059〜2152のパートは山形県初期郵便印の第2弾だが、地元の消印収集家だけでなく、切手の貼り合せや、到着印の差し立て地が他の郷土の珍しい局所の場合もあったりと、思わぬ収穫も期待できそう。ぜひ下見することをおすすめしたい。
最低値:29,000円
Lot No.468 キジ航空59円(A8)印刷庁銘版付・UPU75年24円(C170)貼、航空、櫛 須崎 26.2.27 →米国、書状料金24円+第3地帯航空割増料金59円の適正カバー、小出つる子差立、オランダ切手模した孔版多色刷カシエ付
Lot No.468

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 この時代の適正カバーは、往年の収集家のフィラテリックカバーを避けていては集まらない。
 このカバーは、記念切手貼ゆえ、逆に航空・記念両テーマの収集に活用できる。櫛型印ながら、キジ航空が銘版付の上、地方在住ながら本格女性フィラテリストの草分けであった女史差し立ての上、孔版(ガリ版)印刷全盛時の素晴らしい多色刷挿絵の封筒で、実に華やか。当時の時代の息吹を感じさせるとは、いささかロマンチックすぎるであろうか。
最低値:4,000円
Lot No.489 手彫はがき 紅粋二つ折り1銭(PC2)仮名イ、墨点、大針穴数点
Lot No.489

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 ハガキのゼネラルコレクターも少なくないが、最初の紅枠二つ折りはがきがネックとなる。
 未使用・使用済とも高価で、時代は下るが最初の外信はがき・三五六が使用例は戸籍簿ができるほど希少なのに較べ、未使用は何とか手が届くのとは大違いである。ところが、墨点・みほんだと十分手が届く。
 今回針穴が数点あるが、葉書自体のコンディションは中々。とりあえずのスペース・フィラーにはお買い得品。または、研究用資料にいかが?
最低値:3,000円
Lot No.512 桜はがき15銭(PC45)加貼切手脱落(剥取跡少ヘゲ)、櫛 西大寺 (22).7.26 →京都、上村松園差立、自筆筆書、横軽折1本
Lot No.512

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 郵趣的にはダメージが大きい葉書。2種料金が昭和22年4月に15銭から50銭に値上がりとなり、恐らく急遽発行された2次昭和数字35銭が加貼されたのではないかと推測されるが、無残にも剥ぎ取られている。比較的消印がはっきり読めるのがやや救い。
 しかしながら、差し立てが女流画家No.1の上村松園の自筆筆書き。次のLot No.513も同人差し立て。
 「序の舞」や「母子」などの松園絵画切手と組み合わせたら、しゃれたリーフになるのでは。1リーフ展入賞間違いなし。
最低値:2,000円
Lot No.524 新大毛11/2銭(168)2枚・7銭(171)貼、外信、風景印 豊原(樺太)9.9.12(2印) →米国、カールルイス手書彩色カバー(氷山とペンギン)
Lot No.524

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 ここのところ毎回競争激化で、高額落札されるルイスカバー。それでも、豊原(樺太)の風景印とは珍しい、かなり少ないのではないだろうか。
 カシエに描かれているのが何と氷山をバックにしたペンギンとはインパクト大。樺太も地の果てと思われていたわけでもあるまいし。
最低値:5,000円
Lot No.541 南方 マライ(トレンガヌ州)「大日本郵便」漢字加刷4c(赤)はがき(7MS34)、昭南局 7.10.2603 →日本
Lot No.541

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 今回は、フロア#528〜550、メール#2457〜2465と30点、南方占領地が出品されている。点数はけっして多くないが、各エリア、切手・葉書・エンタイア・ロット物と内容はバラエティに富んでいる。単品物もロット物も、それなりの値頃感。お見逃しなく。
最低値:40,000円